WTI原油先物ファンド(ロング・ポジション)は高コスト過ぎて話しにならない

・ぜひETFの森を、シェアしていただけますと嬉しいです。

WTI原油先物ファンド(ロング・ポジション)をETFに代替えせよ

2014年の7月から始まった、原油価格の暴落。記事執筆時点(2015年4月29日時点)では底打ちかのような状況でありますが、世間の注目を非常に集めているのは確かです。

そんな中、大和証券の投資信託販売ランキングに突如現れた、人気沸騰中のWTI原油先物ファンド(ロング・ポジション)を当サイトでもチェックして参りたいと思います。(「ロング」とは買って保有することで、その反対は「ショート」と言って、カラ売りすることです)

WTI原油先物ファンド


さて当ファンドですが、運用会社は「アストマックス投信投資顧問株式会社」です。実はこの運用会社に、管理人は良いイメージを持っていません。

現在も絶賛販売中の、日本株ハイインカム(毎月分配型)(ブラジルレアルコース)なんて、投機的な運用を組み込んだベンチマークすらでっち上げる(と思われる)会社なんですね。・・・と言う事でありまして、管理人がしっかりとチェックして参ります!!

 

WTI原油先物ファンド(ロング・ポジション)の基本的情報

購入手数料:3.24%
信託報酬年率2.0412%(税抜き)
信託財産留保額: なし
運用期間:平成29年6月26日 (設定日:平成21年7月1日)
純資産総額:215億円(2015年3月末時点)
運用会社:アストマックス投信投資顧問株式会社

同ファンドの「ショート・ポジション」とともに、大和証券が気合いを入れて販売しているものと思われます。原油に手を出すのは、投資ではなくて単なる投機です。やっている事は、外資のハゲタカファンドと全く同じですからそのつもりで。

安全資産であるマネー・ポジションが、超絶な「ぼったくり」でまず最初に驚愕!

これまで管理人は、この手の複雑な投資信託の「スイッチング先の商品」について詳細は調べる事は、ありませんでした。(たんなる資金の保留先くらいにしか思っていなかった)

ですが、偶然にも驚愕の事実に気付いたので、少しだけ報告させて頂きます。WTI原油先物ファンドは、下記のようにロング・ポジションとショート・ポジション、そして安全資産であるマネー・ポジションのファンドにスイッチ(切り替え)が可能です。

WTI原油先物ファンドのスイッチングについて


マネー・ポジションのファンドは、国内の短期公社債に投資を行う「安全資産」となります。下記のように、国債を半分程度所有した上で、残りは現金として持ちます。限りなく無リスクに近いです。

WTI原油先物ファンドのマネーポジションのポートフォリオ


であるのにもかかわらず、年間の信託報酬は約1%(厳密には0.972%)です。つまり、確実に資産が目減りする安全資産って事ですよね 。というか、絶対確実に資産が減るのであれば、安全資産じゃなくて、マイナス1%のボッタクリ金利の付いた定期預金です。

これに気が付いた時は、心底驚きましたね(笑)。ほとんどのよく分かっていない投資家の皆さんは、このような不利な取引条件など、気が付いていないと思います。

わざわざ1%もの高金利マイナス預金をするのは、実にアホらしいです。そういう意味からも、本ページでご紹介するETFになさった方が、比較できぬくらい賢明です。

純資産が、わずか半月(半年ではない)で、200億円もぶっ飛んで増えている件・・・

少々寄り道しましたが、WTI原油先物ファンド(ロング・ポジション)の中身を精査して参りましょう。当ファンドの特徴は、米国の原油先物取引を積極的に活用して、WTI原油先物取引価格に連動する運用を行う、インデックス型の投資信託という事です。

対象がコモディティですから、当然、無分配です。為替ヘッジがある点は、やや特長的だと感じます。参考指数として提示している、WTI原油先物価格と比較してみると、まずまずな(普通なって意味)運用が行えているようです。

WTI原油先物ファンドの基準価額と純資産総額の推移


問題は、想像を絶するコストです。大和証券の独占販売ですから、購入時に3.24%の手数料が必要です。その上、インデックス型であるにも関わらず、年間に2%を超える信託報酬が必要な、超高コストファンドです。

われわれ個人投資家が、唯一コントロール可能なのがコストであるし、それがここまで高いと、正しい資産運用が出来るとはとても思えません。

そもそも、運用期間が平成29年までなので、残り2年ですよ。あなたのギャンブルが上手くいったとして、さらにその後も原油価格が上昇した場合は、どうするのでしょうね?

・・・それにしても、上記の図の水色の部分、急激に資金が集まっているようです。原油価格が底打ちしたと、一体どのように判断しているのか、購入者に聞いてみたい気持ちです。

国内のETFを利用すれば、驚くほどコストを削減可能な事を知っていますか?

暴落している原油に、長期的に投資をしたいとお考えであれば、超高コストなWTI原油先物ファンド(ロング・ポジション)を利用せずとも、下記のようなETFである「WTI原油価格連動型上場投信(1671)」や「NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)」を利用した方が、間違いなく我々に大きなメリットがあります。

項目 ETFなどの名称 ベンチマーク 購入手数料 信託報酬
投資信託 WTI原油先物ファンド(ロング・ポジション) WTI原油先物価格 3.0% 1.89%
ETF WTI原油価格連動型上場投信 WTI原油先物価格 0.0487% 0.85%
ETF NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信 NOMURA原油ロングインデックス 0.0487% 0.5%
(購入手数料は税抜き。ETFは、SBI証券のスタンダードプランで100万円分購入した場合(手数料は税抜き487円))


具体的にWTI原油先物ファンド(ロング・ポジション)と、NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信に、100万円投資した際のコスト差をみてみましょうか。

税込で計算してみます。WTI原油先物ファンドは、残り2年程度の運用期間になりますが、コストを分かりやすくするために、期間10年で考えてみます。

商品種別 WTI原油先物ファンド(ロング・ポジション) NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信 コスト差
購入時手数料 3万2400円 525円 3万1875円
信託報酬 2万0412円 5400円 1万5012円
初年度のコスト 5万2812円 5925円 4万6887円
2年目以降のコスト 2万0412円 5400円 1万5012円
10年間保有した場合の総金額 23万6520円 5万4525円 18万1995円


上記をご覧になって、コストの与える影響を、どうお考えになりますか?

単純にコストの低い金融商品に切り替えるだけで、初年度には5万円近く、10年間で通算すると18万もの利益の流出を防ぐことができます。

変な投資信託を保有し続けた場合、コスト差の分は、全て金融機関の懐に入ります。窓口や、人気ファンドのランキングで判断するのではなく、少しでも投資に対する知識を増やす事を考える事が重要なのではないでしょうか? (18万円も有れば、海外旅行に行ける金額ですよ)

なお、あえて書きませんでしたが、原油価格が今後上がるのか下がるのかは、ここまで暴落したからと言っても、どちらに進むのか確率的に五分五分です。

株と違って、原油には金利(配当金)が有りませんので、こういう銘柄は保有しているだけで、ギャンブルに参加しているという意識をしっかりと持たねばなりません。

このようなものに手を出しても良いのは、本来はテクニカルトレードを徹底的に学んだ者だけです。超絶にすさまじいコスト差も意識した事が無いような投資家に、原油の動向が理解できるとは、到底思えないですね。




バナー


★姉妹サイト
ノーロード投資信託ガイドもよろしく。AllAbout掲載サイトです。

ETFの基礎知識

ETFを使った運用手法

ETFを購入できる証券口座



国内ETF一覧&ランキング