日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンド・・・一見有利そうだが、コストに見合う価値はあるのか?

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日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンド

債券のような安全性を追求しながら、出来るだけ運用パフォーマンスを高めたいと思っている人のために商品設計されたのが、日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンドです。

販売資料を見ると物凄い高級感が漂ってきますが、基本的に「販売用資料にお金が掛かっている投資信託にまともなものは無い法則」が当てはまる可能性が大です。

日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンド


だいたい、ロスチャイルド家などをイメージさせるようなこんなページがありますが、ロスチャイルド家とあなたには、何の関係もありません。というか、名だたる名家があなたなんかのために、素晴らしく儲かる商品を用意するはずがありません。根本的なところから考えなおしたいですね。

エドモン・ドゥ・ロスチャイルドグループの概要


それにしてもファンド名を見ただけでは、具体的な投資対象のイメージは全く湧いてきません。そんなものにお金を投じて良いのか疑問に感じつつも、日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンドの中身を見て参りましょうか。(・・・長すぎる名前だな。。。)

(2016年1月30日公開)

 

日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンドの基本的情報

購入手数料:最大3.24%(税込)販売会社はSMBC日興証券のみ
信託報酬年1.7225%(税込)
信託財産留保額: 0.3%
決算日:年1回(毎年10月26日)
・信託期間:2015年10月30日(設定日:2025年10月27日)
純資産総額:216億円(2015年11月時点)
運用会社:三井住友アセットマネジメント株式会社

株式よりも株価の変動リスクが大きいが、同等のリターンが望める?

日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンド(為替ヘッジなし)の主投資対象は、世界の企業が発行する転換社債です。転換社債の具体的な中身については後述しますが、一般の個人投資家にとって気になるのは「どのくらい儲かるのか」でしょう。

日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンドの米ドル建てのリスクとリターンの関係


積極的に売りさばきたい金融機関側はセールストークとして、「株式よりもリスクが小さい割に、同程度のリターンが得られる」と説明するかもしれません。

実際に過去10年間のパフォーマンスを比較した結果は下記のようになっており、価格のブレ(=投資においてはこれをリスクという)を抑えて、10年間という期間の場合は、株と同等のリターンが出ています。

これを見て、だったら先進国株式全体に投資するファンドを低コストで買えば良いだけのことじゃん、と思うのですが、日ごろから投資信託の価格が上がったり下がったりするのを恐怖に感じるような人は、日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンドに飛びつくのでしょう。

日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンドの米ドル建てのバックデータ


それに上記は、一切のコストを考慮していない、都合の良いデータです。このファンド、とてつもない高コストです。毎年かかる1.7%以上のコストを10年間積み上げると、下記の赤いラインの運用成績は10年後には17%も押し下げられますからね。

一方で先進国株式全体には、腰抜かすほど低コストで投資できますから、ほとんど下記の緑線は下振れしません。・・・という事は、リスクを恐れて変なファンドに手を出すと、長期的にはコストにやられてちっとも株式並みのリターンなど実現できない、絵に描いた餅になります。

債券にデリバティブ取引を組み込んだ金融商品に投資価値があると思えない

そもそも「転換社債(CB)って何?」と思う方も多いでしょう。転換社債(CB)とは、下記のように債券と株式の両方の性質を併せ持つ金融商品です。資料を読み込むと、株式の部分はデリバティブ取引の一つである「オプション取引(株式コールオプションの保有)」を使うとのこと。

転換社債(CB)の、債券や株式としての側面


販売資料に記載されている「株式としての価値」のイメージ図は、まさにオプション取引そのものです。

下記だけを見ると、株式が上昇する時だけ利益を得て、下落する時には損失を一定に抑える事が出来るような夢のような商品に見えますが、そんな「ぼろ儲け」できるような手法であれば金融機関側が自分達の資金を使って投資しているはずです。

そんな事をせず、一般の個人投資家に売りさばくという事は、販売資料には書かれていない裏があるという事です。

CB(転換社債)の仕組みのイメージ図


販売資料を見ていると、デルタ値が49.2%となっていますね。資料にも非常に小さい文字で記載されていますが、簡単に言うと株価の上昇局面では半分程度のパフォーマンスになるという事です。これで株式セクターと同等程度の成績を叩き出す事が出来る訳がありません。

ま、裏を返せば下落局面でも半分程度の痛手で済むという事なのですが。・・・しかし、多額のコストをかけてこんなファンドに命運を託さなくても、次の項で書く通り、誰でも簡単に、資産の下落を抑えて低コストで運用できる時代になっているんですよね

日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンドの投資先ポートフォリオの概況

株式と債券を同時に保有すれば、超低コストでブレ(リスク)を抑えられる

恐らくですが、日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンドは、債券と株式の中間のような事をやってリスクを抑えたいニーズに対して、開発された商品だと思います。

であれば、単純に世界の株式に投資可能なMAXIS海外株式(MSCIコクサイ)上場投信と、世界の債券に投資可能な上場インデックスファンド海外債券(Citi WGBI)毎月分配型を保有すれば良いだけなのではないでしょうか? 設立間もないですが、これまでの運用成績を比較した結果がコチラです。

日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンドと、代替えできる低コストETF2つの、基準価額の推移の比較


上記を見ると、株式ETFと債券ETFを半分ずつ保有すると、同じような運用成績を実現できそうですね。個人投資家がいちいち変な仕組みの金融商品を買わなくても、このようなETFの組み合わせで良いと思います

上記2つのETFの利用で、ロスチャイルドCBファンドがゴミ箱行きになる

実はETFに代替すると、投資対象がシンプルになるだけではなく、物凄いコストダウンになります。先述した通り、高コストはファンドの運用成績を大きく引き下げるマイナスの効果があります。逆に言うと低コストファンドを選ぶだけで、資産運用は非常に有利になります。

カテゴリ ETFなどの名称 購入手数料 信託報酬
高コスト投資信託 日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンド 3.24% 1.7225%
フリーETF MAXISトピックス上場投信 無料 ※1 0.27%
上場インデックスファンド海外債券(Citi WGBI)毎月分配型 0.0525% ※2 0.27%
(数字は税込みです)
※1:カブドットコム証券では、手数料無料で買付可能です。
※2:SBI証券で、100万円投資時の手数料525円換算の手数料率です。


上記を見て頂くと、毎年必要になる手数料が、かなり削減できるのが分かると思います。MAXIS海外株式(MSCIコクサイ)上場投信と、上場インデックスファンド海外債券(CITI WGBI)毎月分配型を半分ずつ保有した時のコストは下記になりますから、この条件で計算してみます。

カテゴリ ETFなどの名称 購入手数料 信託報酬
高コスト投資信託 日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンド 3.24% 1.7225%
フリーETF 上述のETF2つを半分ずつ保有 0.02625% 0.27%
(数字は税込みです)


上記を具体的に金額ベースで現すと、次の通りになります。ハンパではない金額の差が出てきますので、これを見ただけで、どちらに投資するのが良いのか、分かると思います。

●100万円投資の時のコスト差
ファンド 5年間保有のトータルコスト 10年間保有のトータルコスト
日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンド 11万8,525円 20万4,650円
超低コストETFを2つ利用 1万3,763円 2万7,263円
ETFとのコスト差 10万4,763円 17万7,388円


●300万円投資の時のコスト差
ファンド 5年間保有のトータルコスト 10年間保有のトータルコスト
日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンド 35万5,575円 61万3,950円
超低コストETFを2つ利用 4万997円 8万1,497円
ETFとのコスト差 31万4,578円 53万2,453円


●500万円投資の時のコスト差
ファンド 5年間保有のトータルコスト 10年間保有のトータルコスト
日興エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グローバルCBファンド 59万2,625円 1,02万3,250円
超低コストETFを2つ利用 6万7,997円 13万5,497円
ETFとのコスト差 52万4,628円 88万7,753円


500万円の投資資金を超低コストのETFに代替すると、10年間で90万円近くの利益が「浮く」事になります。もっと突っ込んで言うと、この90万円の手数料をノーリスクで金融機関側が受け取っている事実を、もっと理解するべきだと思います。

金融機関の営業マンたちは、この膨大な手数料収入が欲しいがために、さも儲かるように商品を説明して販売するのです。投資は自己責任の世界ですから、しっかりと知識をつけた上で商品を選びたいものです。





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