三井住友・公益インフラ優先証券ファンド201508・・・個人投資家向けの商品ではない

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三井住友・公益インフラ優先証券ファンド201508の、主な問題点を指摘

「優先証券」・・・中身はよく分からないのですが、何となく安全そう、あるいは良さげな雰囲気がするネーミングですよね。私達に何かを優先してくれるような投資対象に、思えてしまうのは不思議です。

三井住友・公益インフラ優先証券ファンド201508実は三井住友銀行は、過去にも似たようなファンド「世界優先証券ファンド」を定期的に販売しており、(銀行側が)儲かる商品なのだろうなあと、管理人は想像している次第です。

でも我々にとって、本当に投資価値がある商品なのでしょうか? 債券なのですから、本来は安全性を追求したいところです。

三井住友・公益インフラ優先証券ファンド201508に問題は無いのか、チェックして参りたいと思います。

(2015年11月10日公開)

 

三井住友・公益インフラ優先証券ファンド201508の基本的情報

購入手数料:最大2.16%(税込)
信託報酬年1.365%(税込)
信託財産留保額: 0.3%
決算日:年2回(毎年1・7月31日)
・信託期間:2019年7月31日(設定日:2015年8月28日)
純資産総額:189億円(2015年11月時点)
運用会社:三井住友アセットマネジメント株式会社

三井住友銀行及びSMBC日興証券にて、手数料2.16%も取られて、買い付けることができます。

ちょっと調べるだけで、あえて投資するほどのものなのか疑問が湧いてくる

三井住友・公益インフラ優先証券ファンド201508の投資対象は、世界各国の公益・インフラ企業が発行する優先証券です。主に電力・ガス・水道・エネルギー・通信・運輸・金融など、人々の生活を支える企業群が発行する優先証券が対象になります。

で、当然ながら優先証券って、なんぞや!?と疑問が湧いてきますよね。簡単に言うと株式と債券の特性を併せ持つ金融商品です。単純に、債券だと思わない方がよいですね。

⇒参考ページ:優先証券の中身を本当に理解しているのか?


債券系の商品は、利回りを見るとリスクの大きさが簡単に分かります。保有ポートフォリオの利回りをは約5%もあって、かなりの高いリスクと引き換えの利回りである事を示しています。

三井住友・公益インフラ優先証券ファンド201508のポートフォリオの平均最終利回り


下記のような美しい販売資料を見ると、いかにもリスクが少なそうに整えて書かれています。ですが当ファンドの利回りは、ハイ・イールド債券(借金を踏み倒す人にお金を貸すようなイメージの債券)と同等の水準となっています。

優先証券とそれ以外の債券系資産クラスとの利回り水準や利回りのイメージの比較


保有ポートフォリオの格付を見ても、投機的格付債(BB格以下)が4割以上を占めている事を考えると、「安全な債券」ではないという事を頭に叩きこんだ方が良いでしょう。金融市場に動揺が走ると、まず真っ先に売られる商品だと考えてください。

三井住友・公益インフラ優先証券ファンド201508のポートフォリオ


なお、ベンチマーク・参考指数の設定されていないアクティブファンドですから、投資先だけでなく、運用成績にも特段の期待が出来ない状況です。

運用会社が異なりますが、過去、2014年に販売となった優先証券ファンドがありますので、そのファンドと、先進国債券に広く分散投資をするファンド「上場インデックスファンド海外債券(CITI WGBI)毎月分配型」を、参考までに比べてみましょうか。

過去に発売された優先証券ファンドと、先進国債券に投資するファンドの基準価額の推移の比較
(※本来はこれらのファンドは比較対象外です)


既に書いたように、優先証券は高いリスクと引き換えに、高いリターンを狙うものです。しかし、本来安全資産であるところの、先進国債券ファンドに、大きく負けてしまっているような状況です。

ハイイールド債券や優先証券など、リターンを追及するタイプの金融商品は本来、相場に対して切った張ったができるタイプの投資家向けのものです。

決して、普段、投資について何も考えないようなタイプの投資家のために存在する、まったりとした商品ではありませんので、注意しましょう。

良し悪しが分からぬ優先証券ファンドなどに、多額の費用をかけてまで投資しなくて良い

長期分散投資において、債券の役割は資産全体の安全度を高めることにあります。ですから株式並のリスクをとるのであれば、株式を保有すれば良いだけで、中途半端な優先証券などを、下記に記すような多額のコストをかけてまで保有する必要はまったくありません

既に上段で記したように、蓋を開けてみたら格付の高い債券にリターンが劣るようであれば、普通に先進各国に分散投資をするべきです。

我々個人投資家に相場環境を変える力はありませんが、金融商品のコストは数少ないコントロール可能な部分です。極論すると、コストを下げると、それだけ私達の利益が増えますからね。

このような視点で超低コストのETF、上場インデックスファンド海外債券(CITI WGBI)毎月分配型を活用した場合を考えてみましょう。

カテゴリ ETFなどの名称 購入手数料 信託報酬
高コスト投資信託 三井住友・公益インフラ優先証券ファンド201508 2.16% 1.365%
国内株式ETF 上場インデックスファンド海外債券(CITI WGBI) 0.0525%※ 0.27%
(数字は税込みです)※SBI証券で100万円投資時の手数料525円換算の手数料率です。


一目見ただけで、ETFのメリットが理解できると思いますが実際に長期間、保有した場合の金額も具体的に確認してみましょう。計算結果はコチラです。

●100万円投資の時のコスト差
ファンド 5年間保有のトータルコスト 10年間保有のトータルコスト
公益インフラ優先証券ファンド 8万9,850円 15万8,100円
低コストETF 1万4,025円 2万7,525円
ETFとのコスト差 7万5,825円 13万575円


●500万円投資の時のコスト差
ファンド 5年間保有のトータルコスト 10年間保有のトータルコスト
公益インフラ優先証券ファンド 44万9,250円 79万500円
低コストETF 6万8,494円 13万5,994円
ETFとのコスト差 38万756円 65万4,506円


500万円程の投資信託を10年間保有した場合には、約70万円近くのコスト差が発生します。本来、我々の懐にあるはずだったお金が、知らないうちに金融機関に流出してしまう事を考えると、残念な気持ちになりますね。

数%のコストを、甘くみてはいけません。お金を増やすために資産運用をする訳ですから、リターンに重要な影響を与えるコストに関しては、徹底的に低コストなETFを上手に活用するべきです。




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