日興ブラックロック・ハイ・クオリティ・アロケーション・ファンド(為替ヘッジなし)はコストが高いだけ

・ぜひETFの森を、シェアしていただけますと嬉しいです。

魅力の薄い、日興ブラックロック・ハイ・クオリティ・アロケーション・ファンド

できるだけ運用成績が良い投資信託を購入したい!と思っている人は多いと思います。相場が良い時には大きく儲けて、市場全体が暴落した時には小さく損してと・・・。

そこで金融機関側が、リスクを抑えて投資成果の最大化を実現するものとして提案してきたのが、当ファンドのように、市場環境に応じて投資比率(債券や株式など)をアクティブに変えるタイプの商品です。

日興ブラックロック・ハイ・クオリティ・アロケーション・ファンド


しかし、本当に運用成績に期待が出来るのでしょうか? 今回は、非常に高コストな日興ブラックロック・ハイ・クオリティ・アロケーション・ファンド(為替ヘッジなし)に資金を託す価値があるのかどうか、しっかりとチェックしてみたいと思います。

(2015年10月30日公開)

 

日興ブラックロック・ハイ・クオリティ・アロケーション・ファンドの基本的情報

購入手数料:最大3.24%(税込)※
信託報酬年2.0304%(税込み)
信託財産留保額: なし
決算日:年1回(毎年6月26日)
・信託期間:2014年6月27日(設定日:2024年6月26日)
純資産総額:1,873億円(2015年10月時点)
運用会社:三井住友アセットマネジメント株式会社

SMBC日興証券と三井住友銀行で、手数料3.24%も取られて、買い付けることができます。

機動的な運用で運用成績が向上する・・・そんな事ができたら苦労しない

日興ブラックロック・ハイ・クオリティ・アロケーション・ファンド(為替ヘッジなし)は、世界各国の株式や債券などに分散投資をする投資信託です。典型的なバランス型のファンドという事で、悪くない第一印象です。

で、当ファンドの最大の売りは何かというと、市場環境に対して臨機応変に投資配分を変えるという点です。景気が悪くなって世界的にリスクが高まると、現金や債券の比率を上げて、好景気の時には積極的にリスクを取る(株の比率を上げる)という事です。

当ファンドは2015年6月の運用開始ですが、大本になるファンドの過去の資産比率を見ると、確かに資産セクター毎の投資比率を変えているようです。本当にそんな凄い事が実現できるのか、実に気になりますよね。

アロケーション・ファンドの過去の運用実績


このような、投資のプロが、一見すると凄い運用をしているように見える投資信託が、最近増えています。JPMベスト・インカム(毎月決算型)や、USストラテジック・インカム・ファンドなども、投資配分を機動的に変える、似たようなファンドです。

運用開始からしばらく期間が経過した同様のコンセプトのファンドとしては、トレンドアロケーション・オープンが参考になります。まったく酷いですからね。

投資先が債券に限定されていますが、BAMワールド・ボンド&カレンシ-・ファンドの事例も参考になります。このファンドも、猛烈に運用成績が悪いです。絶望的な程に。

この手のファンドの説明に共通しているのは、過去にさかのぼるとこの運用手法が機能していたという説明です。それがなぜ、運用を開始すると全く機能しなくなるのか、投資信託七不思議の1つと言えましょう。

ポートフォリオが近いバランスファンドと運用成績を比較してみよう

ファンドのポートフォリオを見ていたら、下記のような構成でした。現金の部分を日本債券で置き換えると、だいたい国内株式、先進国株式、国内債券、先進国債券に4等分しているイメージです。

日興ブラックロック・ハイ・クオリティ・アロケーション・ファンドのポートフォリオ


であるならば、インデックス型運用の<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)と、運用成績を比較してみると良いのではないかと思いつき、比べた結果がコチラ。

日興ブラックロック・ハイ・クオリティ・アロケーション・ファンドと、低コストインデックスバランス型ファンドとの運用成績の比較


いまだ運用間もないので全く何とも言えない状況ではありますが、現時点ではインデックス型のファンドと成績が変わらないようです。長期的に、ウォッチしていきたいと思います。

確かに単年度、瞬間風速的には良い成績を叩き出せるかもしれません。ですが長期的に見るとアクティブ運用型の投信は、かなりの確率で運用成績がインデックスよりも悪くなる統計データがあります。このようなファンドに希望を託すこと自体が、投機的だと感じますね。

日興ブラックロック・ハイ・クオリティ・アロケーション・ファンドはコストが致命的

アクティブで高コストな投資信託に奇跡を信じて資金を託すよりも、低コストなETFで脇を固めた方が、確実に手に入る利益が高まります。

例えば国内株、先進国株、国内債券、先進国債券に投資可能なETF、ノーロード投信をチョイスすると、下記のように明らかにコストが安くなります。運用成績の視点で考えても、ほとんど同等以上の結果が得られるかと。

カテゴリ ETFなどの名称 購入手数料 信託報酬
高コスト投資信託 ハイ・クオリティ・アロケーション・ファンド 3.24% 2.0304%
国内株式ETF MAXISトピックス上場投信 無料※1 0.08424%
国内債券投資信託 三井住友・日本債券インデックス・ファンド 無料 0.1728%
先進国株ETF MAXIS海外株式(MSCIコクサイ)上場投信 無料※1 0.27%
先進国債券ETF 上場インデックスファンド海外債券(CITI WGBI)毎月分配型 0.0525%※2 0.27%
(数字は税込みです)

※1 カブドットコム証券では、手数料無料で買付可能です。
※2 SBI証券で100万円投資時の手数料525円換算の手数料率です。


仮に、代替可能な4つのETF(&ノーロード投信)を均等に保有した場合は、このようなコスト差になります。毎年のように必要になるコストが1/10以下になるという事を考えると、凄いことだと思いますね。(このコスト差は、全てあなたの手元に残ります)

というか、特に運用成績に違いがないならば、コストが10倍もする商品を買う意味がありませんよね。(他の商品の事例を見ると、高い確率で長期的にボロ負けするようですし)

カテゴリ ETFなどの名称 購入手数料 信託報酬
高コスト投資信託 ハイ・クオリティ・アロケーション・ファンド 3.24% 2.0304%
低コストETF&投信 上述のETFとノーロード投資信託、4つを均等保有 0.0131% 0.1992%
(数字は税込みです)


投資金額毎のコスト差を具体的に計算してみましょう。度胆を抜かれる結果はコチラ。

●100万円投資の時のコスト差
ファンド 5年間保有のトータルコスト 10年間保有のトータルコスト
高コスト投資信託 13万3,920円 23万5,440円
低コストETF&投信 1万91円 2万51円
ETFとのコスト差 12万3,829円 21万5,389円


●300万円投資の時のコスト差
ファンド 5年間保有のトータルコスト 10年間保有のトータルコスト
高コスト投資信託 40万1,760円 70万6,320円
低コストETF&投信 3万129円 6万9円
ETFとのコスト差 37万1,632円 64万6,312円


●500万円投資の時のコスト差
ファンド 5年間保有のトータルコスト 10年間保有のトータルコスト
高コスト投資信託 66万9,600円 117万7,200円
低コストETF&投信 5万49円 9万9,849円
ETFとのコスト差 61万9,552円 107万7,352円


どうでしょうか? 超絶に高コストなファンドを、将来性を不安に思いながら保有し続けるよりも、インデックス型の低コスト商品群を上手に活用した方が、10年間で100万円以上の利益が、確実に懐に入ってきます。(仮に500万円ほど投資した場合です)

どちらが賢い選択か、深く考えずとも分かると思います。運用成績を向上させるために、コストこそが、私達が唯一コントロールできるポイントです。長期的に保有した場合の金額差を甘く見ないようが良いですよね!




バナー


★姉妹サイト
ノーロード投資信託ガイドもよろしく。AllAbout掲載サイトです。

ETFの基礎知識

ETFを使った運用手法

ETFを購入できる証券口座



国内ETF一覧&ランキング