ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンAコースの評価と解説

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ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンAコースは、究極のボッタクリ

野村證券で、突如売れ始めたブラックロック・ゴールド・メタル・オープンAコース。とても気になったので、どのようなファンドなのか調べてみました。これまで長いこと資産が増えず低迷していたのですが、急に売れ始めたという事は、野村の営業マンが売りやすい「何か」があるのでしょうか。

ブラックロック・ゴールド・メタル・オープン


社会的な信用不安が高まると、金が注目されますからね。隣国からミサイルが飛んでくるかもしれない有事を強調して、営業マンが売りさばいているのかもしれません。加えて基準価額が4000円台ですから、「お買い得な商品だ」と囁いているのでしょう。

そもそもブラックロック・ゴールド・メタル・オープンなるファンドが、本当に買う意味が有るのかどうか、そこからチェックしていきます。

(2017年7月16日公開)

 

ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンAコースの基本的情報

購入手数料最大3.0%(税抜き)・・・販売会社は野村證券のみになります。
信託報酬年2.03%(税抜き)
信託財産留保額:なし
決算日:年2回(毎年2・8月23日)

・信託期間:無期限(設定日:平成7年2月24日)
純資産総額:249億円(2017年7月時点)
運用会社:ブラックロックジャパン株式会社

突如、純資産がぶっ飛んで増加している状況

ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンAコースの投資対象は、南アフリカ、オーストラリア、カナダ、アメリカ等の金鉱企業の株式です。Aコースは為替ヘッジがあるタイプとなります。(為替ヘッジありのBコースも、本質的には変わらないので、本ページを参考にして下さい)

さて、金の採掘や精錬などの川上工程に関わる企業を金鉱企業と呼びます。世界には500社程度の金鉱企業が存在しており、その中から投資する銘柄を選定します。

ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンの銘柄選定イメージ


各金鉱企業の金の埋蔵量や、産金コスト等を推計・分析して、株価が割安な銘柄を厳選して投資を実行するアクティブファンドになります。参考指数は、FTSE金鉱業株式インデックスです。

ここ10年ぐらいは純資産総額が低迷していたのですが、野村証券で急に売れ始め、純資産総額が249億円に達しました。基準価額が4100円ですから、お買い得に感じて購入した庶民も多そうです。

ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンAコースの純資産の推移


ただ、今この時期に急激に売れるという理由が分かりません。金や、金に似た金鉱株に投資する背景は色々とあります。最近では「有事の金」の側面が強いのかなとは思いますが、北朝鮮有事は2017年の事象ですから、2016年に純資産がぶっ飛んで増加している理由とは別でしょう。

2016年は年初から金鉱株が猛烈に上げましたので、それを見た野村證券の営業部隊が、「今後もますます上がる可能性が有ります!」と、強くプッシュしたのではないかなと思います。

なお金投資と金鉱株の具体的な違いは、下記のようなものです。金に比べて現物性は無い点や、金に比べて値動きが大きいのが特徴です。

金投資、金ETF、金鉱株の違い


株式投資を自分なりのルールに従って売買するタイプの投資家ならいざ知らず、わざわざ投資信託で金鉱株ファンドを購入する意味が、正直よく分かりませんね。野村證券は一体、どういう理由でブラックロック・ゴールド・メタル・オープンを一般人に推奨して売りまくっているのでしょうか。



運用指標に対してボロカスの惨敗を喫していて、投資価値は皆無

さて、有事を考慮してリスクヘッジ的に本ファンドを買うのか、あるいはインフレのヘッジの目的で買うのか分かりませんが、残念な事に、ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンAコースの運用成績は極めて悪いです

下記、参考指数であるFTSE金鉱業株式インデックスと、本ファンドの基準価額の比較です。なんと設定来では、運用指標である参考指数がプラス223%の上昇になっているのに対し、本ファンドはマイナス17%と、空前絶後の大惨敗です。

ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンAコースの基準価額と参考指数の対比


こんな成績は、死にぞこないのデイトレーダーの運用成績レベルであり、プロのファンドマネージャーが運用してこの体たらくとは酷すぎます。というか、こんな悪すぎるアクティブファンドを平気で一般人に推奨するとしたら、野村證券の営業マンも相当の悪ですね。

なお、為替ヘッジ付きのBコースについても、同様のダメっぷりです。Aコースともども、投資価値皆無のウンコレベルだと断言できます。

ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンBコースの基準価額と参考指数との対比

高い金出して「ウンコ」を買う奴は、一体何を考えているのか?

こんな酷すぎるファンドであるにもかかわらず、野村證券は購入手数料を3%も徴収して売りつけます。更には信託報酬が2.03%です。細かい話ですが、信託報酬以外のコストもカウントした実質コストは、実に2.4%(こちらは税込み)にも達します。(半年の数字なので、下記を2倍して下さい)

ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンAコースの実質コスト


こんなものを間違って10年間も保有してしまったら、実に元本の25%程度がコストで抜かれる勘定になります。そのうえ、3%もの高額手数料ですから、踏んだり蹴ったりです。

運用成績を考慮に入れて比ゆ的に表現するならば、ルイヴィトンを買うような価格でユニクロかジーユーでも買っているようなものです。高い買い物と言うよりは、「馬鹿な買い物」ですから、このような変な投資行動は厳に慎まなくてはなりません。

どうしても金や、金鉱株に投資したい人の選択肢

コストの観点で考えると、ぼったくり高コストファンドを利用せずに、超低コストのETFを利用すれば良いと思います。もしも金鉱株に投資したいのなら、マーケット・ベクトル・金鉱株ETF(GDX)や、マーケット・ベクトル・ジュニア金鉱株ETF(GDXJ)といった海外ETFが代替品となります。

ただ、海外ETFを投資の初心者が買い付けるのは敷居が高いと思います。有事のリスクヘッジやインフレヘッジとして利用するなら、金ETFでも良い訳です。であるならば、国内ETFの金ETFとなる金価格連動型上場投資信託(下記)や、SPDRゴールド・シェア代替としても良いでしょう。

ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンAコースと、金価格連動型上場投資信託の基準価額の比較


松井証券であれば10万円以内の買付は無料ですから、商品の売買に関わるコストを抑える事が可能です。ぜひ検討してみてください。(個人的には、ゴールドへの投資など特に必要ないと思います。)

なお、2016年に金鉱株が猛烈に上げたといっても、であるならば下げる時は一気に下がる訳で、2016年の夏場~2017年の現在に至るまでの下落は、かなり強烈です。

下記、コストが大変安いSMT グローバル株式インデックス・オープンとの比較です。世界株が上昇すると金鉱株が下落して(またはその逆の現象もあり)、綺麗な逆相関の関係にあるなと分かります。(というかボラティリティが大きくて、超リスク高いですね、金鉱株って。)

ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンAコースと、SMTグローバル株式インデックスの基準価額の比較


もしも本ファンドで「一儲けしてやろう」と目論んでいる輩がいるとしたら、買った後にどこで売り抜けるのか、自分なりの「勝ちパターン」がしっかりとしている必要がありますね。

野村證券にいちいち相談しないと投資できないような人間は、間違っても本ファンドのようなシロモノに手を出してはなりません。そのうちかなり痛い目に合うはずですから。というか今回の強い下落相場で、すでに痛い目にあっている可能性が大ですが・・・。




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