グローバルAIファンドの評価と解説

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現状、投資する意味が全くない、グローバルAIファンドの真の姿

このファンドの存在をうっかりと見逃しておりましたが、ハッと気が付くと既に2500億円もの大きなお金をかき集めていたのが、グローバルAIファンドです。世間でブームになって、さも大儲けできそうなテーマに関する投資信託を設計すれば、金融機関は大儲けできるという典型的な事例です。

グローバルAIファンド


まさにグローバルAIファンドは、その直球ど真ん中のような投資信託と言えます。何も知らない庶民にしてみれば、世間を賑わすAI関連企業に資金を託せば、大儲けできそうな気になりますからね。でも実際の中身を見ると、大変ショボい投資信託であることが簡単に分かります

(2017年2月8日公開)

 

グローバルAIファンドの基本的情報

購入手数料最大3.00%(税抜き)
販売会社はSMBC日興証券SBI証券楽天証券などになりますが、 どこを使っても手数料をMAXで取られます。何も考えない投資家が集まるファンドは、売り手も超強気になりますね。

信託報酬年1.75%(税抜き)
信託財産留保額: なし
決算日:年1回(毎年9月25日)
・信託期間:2026年9月25日(設定日:2016年9月9日)
純資産総額:2519億円(2017年2月時点)
運用会社:三井住友アセットマネジメント株式会社


投資する前から3%もの高額の手数料を抜かれたら、とても投資になりません。そして毎年の信託報酬も、かなりの高額の部類になる1.75%です。税金を含めて、初年度で5%以上も元本が失われるものに投資するなんて、気がふれているとしか思えません

AIのブームに個人投資家が大挙して押しかけそうな雰囲気だから、本来気を付けるべき

グローバルAIファンドは、世界の株式の中から、AI(人工知能)を活用したサービスの提供、またはAIを利用する事で高い成長が期待される企業に投資します。

最近は至るところで、「AI」という単語を聞くようになっています。下記に示す通り、第3次AIブームの状態です。しかし一般消費者の耳にたくさん入るという事は、ブームの天井だと思った方が良いでしょう。というかテーマに振り回されて飛びつくのは、投資家としては三流の証拠です。

グローバルAIファンドの投資テーマ


具体的な投資先として、下記のようにAIを活用する企業に広く資金を投じる方針です。

・AIテクノロジーの開発企業
・AI開発に必要なコンピューティングの技術提供を行う企業
・AIを活用したサービス、ソフトウェア・アプリケーションの提供を行う企業
・AIを活用したサービスを駆使して自社ビジネスを成長させる企業


それら企業の売上高の成長が、すさまじいですね。年平均成長率が56%です。これを見たら、いかにも大儲けできそうな気になってくるものです。美しい販売資料の威力も凄いですね。

グローバルAIファンドの投資対象の魅力について


しかし本当に大儲けできる投資家は既に資金を投下しており、これから売却して利益を確保するフェーズにあると思うのです。では利確してその株を誰に売りつけるのか。・・・それは、何も知らないカモ投資家、つまり、グローバルAIファンドを購入するような人になるのでしょう。



グローバルAIファンドは「こんな事をやっている」とカッコつけていますが・・・

グローバルAIファンドの運用プロセスは、数百のAI関連企業の中から投資候補となる200銘柄までを絞り込んで、最終的に40~80銘柄で構成されるポートフォリオを構築します。

という事は、ファンドマネージャーの能力で、市場の平均的な投資成果を俄然上回るリターンを上げてナンボの世界の、アクティブ運用の投資信託になります。

グローバルAIファンドの投資先銘柄の選定プロセス


一応、投資先は世界中の株式と明記されていますが、実際は9割以上が米国企業です。日本なんて1.7%、寂しいですね。少しフランス企業も含まれますが、ほとんど米国の企業群に投資していると考えて良いでしょう。

企業規模としては、中・小型株が7割近くを占めており、小型株効果により高いパフォーマンスが期待できます。この規模構成はアクティブファンドらしくて、とても良いなと思いますね。

グローバルAIファンドのポートフォリオ


具体的なベンチマークが無いので、完璧に比較することは難しいのではありますが、実質的に米国に投資するファンドだとすると、米国全体の市場平均を表すS&P500とパフォーマンスを比較するのが妥当でしょう。

あるいは、あくまでも日本を含む先進国株が投資対象だと言い張るのであれば、MSCIワールドインデックスを比較対象としても良いでしょう。

しかしながら、グローバルAIファンドが運用を開始して5ヶ月近く経過していますが、ほとんど運用成績が変わらないです。むしろ、S&P500が勝ってますからね。これが現実です。

グローバルAIファンドと、S&P500やMSCIワールドインデックスとのリターンの比較


さんざん儲かりそうな販売資料で投資家を釣り、しかも購入時に3%、更には毎年1.75%もの高額の費用を請求するにもかかわらず、市場の平均値と同等かそれに負けるようならば、全く役立たずの投資信託だと言って良いでしょう。

(購入時に3%の手数料を取られるという事は、グローバルAIファンドだけは、左端の始点が比較対象に比べて3%低いところから始まるという事になります。つまり、見た目よりもさらに大幅に、リターンが下がる事になります・涙。)

・・・むしろファンドマネージャーをAIにでもしてくれた方が、はるかに高いリターンを上げる事ができそうな気がしてしまうのですが、果たしてどうでしょうか?

今どき、超絶に低コストのETFに代替できる時代です

前述のパフォーマンス調査で、グローバルAIファンドとS&P500などの運用成績に大差ないことが分かりました。今後はどうなるか分かりませんが、半年も経過した現時点で差が無いのであれば、今後も期待できない気がします。先の事は分かりませんが。

しかもグローバルAIファンドは、売買手数料、信託報酬ともに、超割高です。であるならば、最初からS&P500に連動するETFでも購入すれば良いのです。代替案として、SPDR S&P500 ETFを購入していれば済んでしまいますね。

こちらはフリーETFですから売買手数料も無料です。 フリーETFについては、カブドットコム証券で購入可能ですから、そちらのページもご覧になってください。


●純粋な、費用の比較
カテゴリ ETFなどの名称 購入手数料 信託報酬
高コスト投資信託 グローバルAIファンド 3.00% 1.75%
低コストETF SPDR S&P500 ETF 無料 0.09%
(数字は税抜きです)


比較してみると、あまりに圧倒的なコスト差が有る事が分かりますね。この差額が、あなたではなくて金融機関の懐に入るのです。こんなにも差が有れば、S&P500の指数に勝てなくて、コストで自滅しやすい構造にあるのが、想像に難くありません。

具体的に金額を算出したのが、以下の表です。500万円を10年間投資した場合、両者の差はなんと約100万円にもなります。こんなにコストに取られたら、投資なんて勝てる訳がありません。


●10年間保有時のコスト差
ファンド 100万円投資した時 300万円投資した時 500万円投資した時
グローバルAIファンド 20万5,000円 61万5,000円 102万5,000円
SPDR S&P500 ETF 9,000円 2万7,000円 2万7,000円
両者のコスト差 19万6,000円 58万8,000円 98万0,000円


なお、ETFではなくて、あくまでも投資信託としてS&P500に連動するインデックスファンドを購入したい場合は、i-mizuho米国株式インデックスでも良いでしょう。手数料は無料で、信託報酬は0.57%と、グローバルAIファンドよりも圧倒的に低コストになります。

MSCIワールドインデックスについては、連動する低コストインデックスファンドがありません。アクティブファンドになりますが、手数料無料で信託報酬が0.89%のiTrust世界株式が、代替として検討の対象になるでしょう。

ただしiTrust世界株式も、あまり期待できそうにない雰囲気ではありますので、もしも私ならば先に記したSPDR S&P500 ETFにすると思います。




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