ダ・ヴィンチの評価解説

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ダ・ヴィンチ・・・「分散投資の芸術」とは聞いて呆れる超絶ダメアクティブファンド

分散投資の芸術「ダ・ヴィンチ」。投資信託の場合、このようなネーミングのものはほとんど全てが残念な結果になりますが、果たしてこの投資信託、その予感が的中しない事を祈りたいです。だいたい、運用元のゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントは、ロクなファンドが有りませんからね。

投資信託、ダ・ヴィンチ


ちなみに、分散投資は芸術なんかではありません。科学的なアプローチで導き出された、非常に合理的な投資方法です。投資と芸術をごちゃ混ぜにして変なイメージで売る戦略には、ウンザリする気分です。

(2016年12月5日公開)

 

ダ・ヴィンチの基本的情報

購入手数料最大3.78%(税込)
販売会社はゴールドマンサックス証券、SMBC日興証券で、3.78%かかります。フィデリティ証券楽天証券等では2.16%で購入できます(新規買い付けの場合、フィデリティ証券では手数料無料

信託報酬年2.16%(税込)
信託財産留保額: なし
決算日:年1回(毎年9月14日)
・信託期間:無期限(設定日:1996年9月27日)
純資産総額:163億円(2016年11月時点)
運用会社:ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社


数々の投資信託をチェックしてきましたが、ここまでコストの塊のようなファンドは、ほとんどありません。あまりに個人投資家をバカにしているようなコスト体系です。

株と債券に約半分ずつ投資しつつ、機動的に資産配分を変更するというが

ダ・ヴィンチの主要な投資対象は、日本を含む世界各国の株式、債券および円短期金融商品です。基本となる資産配分比率は、世界の株式に40%、債券に40%、円短期金融商品に20%となっています。

ダ・ヴィンチの基本資産配分


ダ・ヴィンチ最大の特徴は、ゴールドマン・サックス社の素晴らしい計量モデルを用いて、世界中に分散投資しつつも、世界情勢によっては臨機応変に対応をして、機動的な資産間配分比率や、株式・債券・通貨の国別配分比率を変更する点にあります。

つまり、かなり積極的なアクティブ運用を行う事で、資産の成長性と安定性を同時に追求するとの事です。金融機関側の言い分としては、下記に示すように株式と債券の「良いところ取り」をして、安定的に儲かると言いたいのでしょう。

株式と債券の収益の変動の比較


ダ・ヴィンチは、MSCIワールド・インデックス(円ヘッジ)40% + JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス(グローバル)(円ヘッジ)40% + 円1ヵ月LIBOR20%から形成される、複合ベンチマークを運用目標としています。

ダ・ヴィンチの合成ベンチマーク


投資対象国を見ると、先進国を中心に世界の株式、債券、通貨に資金を投じるため、単純に分散投資としては、文句はないです。ただし、外貨建て資産の全てに為替ヘッジをしているために、複数の通貨に分散している割には、その意味が無くなっていると言えます。

ダ・ヴィンチの合成ベンチマークの構成国


上記のように、株と債券を同時に保有することでリスク(価格の変動)を抑えつつもリターンを高める方法は、ごく当たり前の分散投資の手法です。これだけであれば特段、凄い事をやっているファンドというよりは、ごく普通のバランス型ファンドのようなものですね。

しかしダ・ヴィンチなる「芸術的な投資信託」では、株と債券と短期金融資産の比率を機動的に見直すことで、上記のベンチマークを上回る運用をすると言っています。そんな事が出来たら誰も苦労しない訳で、本ファンドのチェックポイントはまさしくその部分にあります。



ダ・ヴィンチのような機動的な資産配分が報われるのかどうか、見てみよう

ダ・ヴィンチ、実は年間コスト(信託報酬)が2%も必要になる、超絶高コストファンドです。問題は、投資家が満足できるパフォーマンスを、本当に発揮できているのかという点です。運用会社の用意した資料には、いかにも素晴らしい戦略で運用が行われているような事が書かれています。

・資産間配分戦略  ・株式国別配分戦略
・債券国別配分戦略  ・通貨配分戦略

ダ・ヴィンチのアクティブ運用戦略


何も知らない人が美しい販売資料を見ると、儲かるような気になってきます。しかし管理人はこれまで、このような事が出来ると豪語するファンドを多数、見てきました。

例えばJPMベスト・インカム(毎月決算型)や、USストラテジック・インカム・ファンド。これらも投資配分を、機動的に変えるタイプです。ただし運用成績は驚くほど悪いです。BAMワールド・ボンド&カレンシ-・ファンドなども、腰を抜かすほど悪いです。

そんな投資信託を拝見してきたものですから、管理人はダ・ヴィンチの運用方針を見た瞬間に、「こんなもん、イカサマに近いに決まっているだろ!」と直感しました。ダ・ヴィンチの資産配分の推移を見ると、確かに積極的には運用をしていますが、果たして成果に結びついているのでしょうか?

ダ・ヴィンチの資産配分の推移


幸いなことに、ダ・ヴィンチの運用報告書を調べたところ、複合ベンチマークに対してダ・ヴィンチがどの程度の運用成果を出しているかの比較データが掲載されていました。それをご覧ください。

結論を書くと、こんな酷すぎる投資信託は、見たことが無いレベルです。およそ10年ほど運用してきた結果、目標値に対して半分も成果を出せていない、クズファンドです。

仮に1000万円近く投資していたら500万円の利益を取り損ねた訳ですから、投資家として怒り心頭です。こんなもんに「長期分散投資」をさせられた投資家は、悔やんでも悔やみきれない結果になっており、・・・素直にお悔やみ申し上げます。大変に、ご愁傷様です。

いかにも儲かりそうなものに手を出すと、ほとんどがこのような結果になる事を強く肝に銘じて頂き、今後の投資信託選びの「勉強代」にして頂くとよろしいかと存じます。

ダ・ヴィンチの基準価額とベンチマークの推移


それにしても基準価額とベンチマークの差を見ていると、2008年あたりに突如として落差が大きくなってしまっているのが分かります。もしかしたらアクティブファンドとしてのファンドマネージャーが、このあたりで交代でもしたのでしょうか?

実際のところは運用報告書などには何も書かれていないので真相は不明ですが、アクティブファンドに資金を投入している割にはファンドマネージャーの顔や運用方針がハッキリしない事が大半なので、とにかくアクティブ運用の投資信託には近寄らないのが賢明です。

運用方針がハッキリしていて、運用者の顔がよく見えている場合も、それによって運用成績が向上するという意味では全くありませんので、注意が必要です。みのりの投信とかMASAMITSU データセクション・ビッグデータ・ファンドなどが、その良い(悪い)例です。

ではどうするか?・・・シンプルに、世界の株式と債券に分散投資していればよろしい

ダ・ヴィンチは、株と債券に半分ずつ投資して、ついでに現金比率も含めて積極的に相場に応じて投資比率を変化させます。あわせて為替ヘッジまで用いて、円高リスクを回避します。

しかし、こんなことを四六時中やられると、売買のコストばかりがかかってしまって、肝心のリターンをコストが食う事になります。為替ヘッジなども余計なコストがかかります。

こういう事をやっても、ベンチマークに惨敗するのですから、アクティブ運用が上手くいかない事の壮大に実験のようになっていますね・笑。

では一体、投資家はどのようなファンドに資金を投じれば良いのでしょうか。答えは、一切余計な事をせずに、市場の上がり下がりに素直に身をゆだねて、シンプルに国際分散投資をすれば良いだけです。資産配分の変更や為替ヘッジなど、一切の余分な事は排除します。

そうすればダ・ヴィンチのように「人為的ミス」によって超絶にリターンが悪化することを100%に近い割合で回避できます。そして世界経済の成長分だけ、あなたの資産が増加する事になります。

下記は、世界中の株と債券に50%ずつ分散投資する、大人気のインデックスファンド、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドです。コストも購入時はゼロ、信託報酬はダ・ヴィンチよりも7割も安いです。このファンドと、ダ・ヴィンチの運用成績を比べてみます。

ダ・ヴィンチとセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドとのリターンの推移の比較


過去3年のパフォーマンスは、ダ・ヴィンチが+0.77%に対して、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは+13.77%です。10%以上の差が生じています。特に市場の好調期だと、20%近くもパフォーマンスの差がありますから、本当に投資対象としての価値を疑ってしまいます。

為替ヘッジ付きのファンドとそうでないファンドを直接比較するのは多少、無理は有りますが、まあ余計な事をする投資信託というのは、こういう結果になるという事だけ、覚えておきましょう。

さてこのような酷いダ・ヴィンチと、低コストのインデックスファンド、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドのコストの比較も掲載しておきます。


●純粋な、費用の比較
カテゴリ ETFなどの名称 購入手数料 信託報酬
高コスト投資信託 ダ・ヴィンチ 3.78% 2.16%
低コスト投資信託 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド 無料 0.69%
(数字は税込みです)


●10年間保有時のコスト差
ファンド 300万円投資した時 500万円投資した時
ダ・ヴィンチ 76万1,400円 126万9,000円
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド 20万7,000円 34万5,000円
両者のコスト差 55万4,400円 92万4,000円


如何でしょうか? もしもダ・ヴィンチから、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドに鞍替えすると、運用成績が向上するだけでなく、余計な経費、コストも、圧倒的に削減できます。

仮に500万円を10年間運用した場合だと、92万円のお金が金融機関から取り戻せて、投資家の利益にできます。本当に投資信託選びは、コストが一番大切ですね。

なお、このダ・ヴィンチなるボッタクリ投資信託、けしからん事に三菱東京UFJ銀行の個人型iDeCoやソニー生命の個人型iDeCoのバランス型ファンドの部分で、堂々とラインナップされています。

こんなもので超長期投資をしていたら、あなたはロクに資産を増やせない恐れが有りますので、早急に確定拠出年金の口座を変えることを強くお勧めします。

セゾンのファンドを確定拠出年金で利用したい場合は、楽天証券のiDeCo口座でラインナップされています。楽天証券はiDeCo口座において、日本のトップを走っている超低コストの良心的な口座になりますので、悪徳金融機関からは縁を切って、投資家目線のところを使うようにしましょう




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