米国債券の見通しや金利について、複数の観点から比較して考察

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種類が多くて迷ってしまう米国債券を、色々な視点から比較してみた

債券って、意外と意味が分からない言葉が多くて、銘柄ごとに何がどう違うのか、混乱気味になります。そこで債券投資の理解を深める意味で、米国国債に投資可能な債券に絞って、色々な視点から眺めてみました。

今回、比較に選んだ債券は、すべて米国の国債に投資するタイプで、下記の4銘柄です。これだけで色々な事が分かり、けっこう楽しく比較できますし、今後の債券選びのヒントになるかと思います。ぜひ参考にして頂ければと思います。

短期債券(1年未満で償還)iシェアーズ 米国短期国債 ETF(SHV)
中期債券(1年以上5年程度で償還)iシェアーズ 米国国債 1-3年 ETF(SHY)
長期債券(5年以上10年程度で償還)iシェアーズ 米国国債 7-10年 ETF(IEF)
超長期債券(10年以上30年程度で償還)iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)


債券の残存期間が長い程、利回りは高くなる

では利回りの傾向から、実際に確認してみましょう。米国国債に投資していても、残存期間が長い債券ほど、利回りが高くなる傾向にある事が良く分かるかと思います。

つまり債券の利回りを見る場合には、利回りが高いという事はリスクの高い国の債券に投資をしているか、又は残存期間が長い債券を利用しているという事になります。

短期債券(SHV) 中期債券(SHY) 長期債券(IEF) 超長期債券(TLT)
実効デュレーション 0.37年 1.83年 7.64年 17.54年
分配金利回り 0% 0.37% 2.05% 2.67%
(デュレーション:債券に投資された資金の平均回収期間)


信頼性の非常に高い国債だから利回りが高くて嬉しい!!」と単純に考えると、少し危険です。では、残存期間が長い債券のリスクを見てみましょう。

長期債券ほど、基準価額の変動が大きい

利回りが高い事は嬉しいのですが、もちろんデメリットも存在します。下記のチャートをご覧になれば理解頂けると思いますが、長期債券ほど価格変動が大きくてリスクが高くなります。

債券価格は、安定していると思われがちです。確かに短期債券の価格は安定しています。ですが長期債券の基準価額の変動量を見ると、緩やかとは思えないほど、激しい動きをしていますね

各米国債券ETFの基準価額の推移を比較
青線:短期債券 黄緑線:中期債券 黒線:長期債券 赤線:超長期債券)


超長期債券なんて、振れ幅が20%近く簡単に変動していますから、基準価額だけ見ると株式銘柄だと思っても良いかもしれません・・・。

金利が上昇すると、債券価格は下落する

債券の特徴の一つに、金利が上昇すると債券価格(基準価額)が下落するという特性があります。実際に確認してみましょう。米国の金利といえば、フェデラルファンド金利の値動きが非常に重要になります。

例えば、2004~2006年は金利上昇局面、2007~2009年は金利下落局面、2010年以降はゼロ金利状態ですね。債券を見てみましょう。

フェデラルファンド金利の値動きの推移
(引用元:Yahoo!ファイナンス


下記はiシェアーズ 米国短期国債 ETF(SHV)の基準価額の推移です。SHVは設立自体が2007年1月頃ですから、ちょうど金利の下落局面から運用が始まったわけですね。

金利下落局面でのSHVの債券価格は1.3%程の上昇となっています。非常に小さいです。その後の債券価格は、非常に安定しています。


iシェアーズ 米国短期国債 ETFの基準価額と、金利動向の関係
(短期債券:SHV、縦軸は米ドル)


次に中期債券、iシェアーズ 米国国債 1-3年 ETF(SHY) です。値動きが少々激しくなります。金利上昇局面では債券価格が5%ほど下落、金利上昇局面では6%ほどの上昇です。

iシェアーズ 米国国債 1-3年 ETFの基準価額と、金利動向との関係
(中期債券:SHV、縦軸は米ドル)


長期債券になるほど、金利動向に対して大きく債券価格が変動するために、注意が必要ですね。利回りが高い債券を長期間保有するならば、金利動向が急激に変わった場合に、キャピタルロス(売買損失)が発生する事も、考えていた方が良いかと思います。

米国の債券と米国の株価は、反対の値動きをする

債券と株式は反対の値動きをするため、両方を保有することは、ポートフォリオ全体のリスクを下げるのに良いと言われています。

超長期債券であるiシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)と、米国を代表する株価指数であるS&P500株価指数を比べてみると、株式の値動きに対して、確かに債券価格が反対に近い値動きをしている事が良く分かりますね

特にリーマンショックのような有事の際に、株価が下がるのに対して、債券価格が上昇する事は非常に大きな特徴と言えるでしょう。

米国超長期債券とS&P500指数の比較
青線:米国超長期債券、赤線:S&P500株価指数)

リスク・利回りが高い債券の価格変動リスクには注意しろって事

債券の値動きは、意外とヤヤコシイですね。言いたい事は、高い利回りに誘惑されてリスクの大きな債券に投資すると、結構な値動きが発生する可能性があるという事です

配当金・分配金狙いで債券投資をなさる場合は、金利動向も気にしながら銘柄選びをすると良いでしょう。



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