銀行から勧められたスマートクオリティオープンをどうしたら良いか

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スマートクオリティオープン(安定成長型と成長型)をどうしたら良いでしょうか?

ここでは、ETFや投資について、お気軽に質問できます。投資初心者の方~中級程度の方を対象とさせていただきまして、ご質問をお受けいたします。

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頂いたご質問

2017年2月:irukaさま(女性、年代不明)

こんにちは!投資信託のスマートクオリティオープンの成長型と安定成長型を去年からそれぞれ月1万を積み立てています。このまま続けて良いのか?迷っているところです

経験は浅くて銀行に言われるまま選んでしまいました。外債もすこしやってます。ETFはまだやったことがないです。よろしくお願いします。



投資信託の買い方、あるいは投資のやり方として、典型的なダメな事例です

iruka様、ご質問ありがとうございます。今回のご質問を拝読して感じたことを率直に書かせていただきますと、典型的な、銀行の「いいカモ」になってしまっているなあという事です。

頭に入れて頂きたいのはまず、勉強しない人は投資には絶対に勝てない、という事です。一時的には勝つこともあり得ますが、それは単なる偶然であり、まぐれにしか過ぎません。(ただしiDeCoは除きます。この部分は本題と外れるので、説明は省略いたします。)

どんな投資信託を買っても(あるいは買わされても)、目先、上がるか下がるかですから、およそ確率5割で、「成功した気分」になるかもしれません。何も知識が無くても・・・。

スマートクオリティオープン(安定成長型と成長型)


しかし、投資は長い時間をかけて行うものです。何も考えずに購入した投資信託を漫然と持ち続けて数年、世界経済が不況に陥り、株価が暴落したとき、irukaさまは一体、どう対処するおつもりなのでしょうか?

不勉強な人が勝てないのは、相場の調子が良い時の事しか考えていないからです。投資家として「試される」のは、相場が非常に悪くなった時です。ほとんどの俄か投資家は泡食って市場から逃げ出そうとして、最も価格が下がったところで売却してしまいます。

・・・はい、調子のよいところで銀行などに勧められて高値で買って、暴落して慌てて安値で売る。多くの個人投資家が負ける典型的事例の一丁上がりになります。

相場は必ず上げ下げが有ります。問題はキツい下げがあった時に、irukaさまはどう対処するのかをまずイメージすべきでしょう。

投資信託選びは、銘柄選びから入ると、必ず失敗します。株式投資と投資信託を使った投資は、だいぶ異なるのです。同じような気持ちでは投資しないようにした方が良いでしょう。

投資信託は、分散投資の道具にすぎません。投資信託を適切に使いこなすには、まずは長期・国際分散投資の考え方を、徹底して勉強するようにして下さい。一冊の本も読まずにそれを買うなどというのは竹やりで戦闘機に挑むようなものですから、まずは最低限、この本を読んで頂きたいです。


新・投資信託にだまされるな! ---買うべき投信、買ってはいけない投信


非常に簡単な本です。このくらいも読む気がしないという事であれば、投資などはされない事をおススメします。そのうち、必ず痛い目にあうはずですから。

仮に「スマートクオリティオープン」のような投資信託が好みだとした場合

今回、銀行で勧められたという投資信託は、リターンよりも値動きが分かりやすいのが特徴です。下記の表の上3つが、スマートクオリティオープンの運用目標ともいえる、標準偏差の目標数字と、それに対しての1年間での実績です。

目標とする標準偏差は、販売資料(目論見書など)に記載が有りますから、当然、これを知っていなければ買う意味がありません。そしてやはり当然、標準偏差とは何かを知っていなくてはなりません。でないと、勧められたら投資信託ならば何でも良い、という事になりますすから。

項目 標準偏差
スマートクオリティオープン(安定型) 4.4(目標数字:5)
スマートクオリティオープン(安定成長型 7.49(目標数字:8)
スマートクオリティオープン(成長型 11.63(目標数字:12)
三井住友DC年金バランス30(債券重点型) 6.25(10年間の実績)
三井住友DC年金バランス50(標準型) 10.12(10年間の実績)
三井住友DC年金バランス70(株式重点型) 14.11(10年間の実績)


今回iruka様が購入した投資信託については、スマートクオリティオープンの評価解説ページをご覧いただければ、問題点が多い事は分かって頂けると思います。

それに加えて今回ご説明する問題点は、コストです。販売手数料は無料ではありますが、保有しているだけで必要になる信託報酬は、年間で税抜きで1.5%にもなります。これは猛烈に高いです。

仮に10年間保有するだけで元本の15%はコストで失われることを意味している訳で、100万円投資していたら金融機関は15万円も受け取れますから、金融機関が嬉々として勧める理由がお分かりになると思います。

標準偏差が8~12くらいの数値のバランス型の投資信託が真にiruka様の求めているファンドだと仮定すると、コストも勘案すると上の表の三井住友DC年金バランス50(標準型)がよろしいのではないかと思います。過去10年の十分な実績として、標準偏差は10.12になります。

そして何よりもコストは、税抜きでたったの0.23%です。これであれば10年経ってもiruka様の元本に及ぼす影響はわずか2.3%にすぎません。

15%も取られるのと2%しか取られないのでは、その数字分のリターンを金融機関が手にするのかiruka様が手にするのかの違いでもあります。投資信託を選ぶ時は、とにかく徹底的にコストをチェックする姿勢が大事です。「プロ」に余計なお金を取られたら、投資になりません。

さて、仮に三井住友DC年金バランス50(標準型)が良いとした場合、スマートクオリティオープンとの約2年間でのリターンの比較をしてみます。

下記、三井住友DC年金バランス50(標準型)の値動きのばらつきを見ると、投資に慣れていない人でもハラハラドキドキしない程度の値動きになっているのが分かります。

三井住友DC年金バランス50(標準型)とスマートクオリティオープンとのリターンの比較


(これだけではちょっと、値動きが少ないのか大きいのか、初心者だと分かりにくいかもしれませんが、標準偏差で比較すると、こういう感じになるのです。)

投資信託を使った投資の基本は、「アセットアロケーション」にあります

と、標準偏差を重視して、とにかくあまり値動きをしない投資信託という観点でチェックしてみましたが、本来、投資信託を買う時に最も重視しなくてはならないのが、アセットアロケーションという考え方になります

上記でチェックしたスマートクオリティオープンと、三井住友DC年金バランス50(標準型)のアセットアロケーション、つまり資産配分を見てみると、以下の通りになります。3つのファンドとも、中身の配分比率がかなり異なっていると思います。


スマートクオリティオープン安定成長型と成長型、及び三井住友DC年金バランス50(標準型)の資産配分比率


先に、投資信託を買う時は、長期の国際分散投資が重要だと書きました。それは、上記の円グラフにもあるような様々な資産、具体的には、

・国内株式
・国内債券
・先進国株式
・先進国債券
・新興国株式
・新興国債券
・先進国リート
・国内リート



などなどの資産クラスを複数組み合わせる事によって、かなり正確なところまで、期待される年率リターンと、年間のリスクを判定できるのです。

これが分かるという事は、将来どのくらい資産が増える可能性が有るのか予測がつくという事であり、暴落が起こった時にも一時的にどの程度のお金が減るのかも、想像できるという事です。

つまり、投資を継続していくには、自分の投資している内容をしっかりと最初から把握して、それをコントロールすることが大事だという事になります。

したがって、「スマートクオリティオープンを買ってみましたけどどうでしょうか?」という時点で投資は失敗しているのに等しいですし、「外債もやっています」というのも、まず成功はあり得ないとしか言いようがない訳です。

以上により、このまま続けて良い訳がないのは火を見るよりも明らかだ、という回答になります。まずは手元に保有している投資信託などは、利益が出ていようが損していようが、そもそも投資する意味が無いのですから直ちに手放して、まずは勉強をされる事をおススメします。

その上で、しっかりとご自身のアセットアロケーションを作って頂いて、リスクとリターンをコントロール下に置いて、極限まで低コストの状態で長い時間をじっくりとかけて、着実に資産が増やせるような算段をすべきかと考えます。

実際にやってみないと分からないという場合は、初心者とのリレーションシップを重視して人気の高い、というか支持する人の多い、セゾン投信を動画で見て頂いて、セミナーで長期投資の哲学を学びつつ、小額から試してみると良いでしょう。



追記・お返事を頂きました!

ありがとうございます! 厳しいお言葉ですが身に染みました。

過去に何冊か本は読んだのですが... ついつい近くの利便性の良い銀行を利用してしまって... もう少し勉強する事にします。 ありがとうございました。 たまたまヒットした堀田さんのサイトに出会えてラッキーでした。ありがとうございました!



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