新興国債券ETFへの集中投資に対する問題点の指摘

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新興国債券ETFに集中投資しようと思います

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頂いたご質問

2016年3月:chさま(男性、年代不明)

上場新興債」に口座資金を全部投入しようと思います。

現状のリスク等は理解しておりますが、どうも最近新興国に資金も戻ってきているようで、ここでのポジション追加及び全力投入は自分としては有りの様に思えるのですが?

少々気にかかるところもございます。 宜しければ、問題点などお聞きしたいのですが宜しくお願い致します。



なぜ資金を全力投入するのか具体的なお話が無いので、「やめとくべき」としか思えない

ch様、ご質問ありがとうございます。お便りを拝見して、まずは仰天しているというのが率直なところです。と言いますのも、chさまは投資についてどの程度の知識がおありなのか、かなり疑問に感じるからです。

当方、ファンダメンタルズを用いても、テクニカルを用いても、今後どの分野が伸びるかを予想することは絶対にできないと考えていますので、まず大前提として、新興国の株でも債券でも、今後有望かどうかは全く判断できません。

これについては、姉妹サイトでつい先日頂いた「確定拠出年金で購入するファンドで悩んでいます」を合わせて見て頂き、なぜ予想できないのか確認いただければと思います。

では、chさまが発した「違和感のある言葉」について、管理人に答えられる部分についてのみ、お答えしたいと思います。その上で、今回のETFの問題点のご指摘です。

新興国債券ETFへの投資



現状のリスクは理解している

まず、「現状」とは何のことを指すのか、よく分かりません。そして「リスク」をどのような意味で使っていらっしゃるかです。投資の世界では、リスクとは値動きが不確実な様を指します

例えば今日、上場インデックスファンド新興国債券(バークレイズLOCAL EM国債) を買ったとして、これが今後値上がりして2倍になる事もあるでしょうし、値下がりして半値になる事もあるでしょう。この値動きを予測できない事がリスクです。

それに対して、投資の勉強をしたことのない人は、「リスク=値下がり」だと勘違いします。今回のETFの価格の大幅な下げがいったん収まって、これ以上下がりそうもないなと思う事は、リスクとは言いません。

これをリスクというのであれば、もっと下がりそうにないものをひたすら買えばよく、日本国債に投資する投資信託を買うのがもっとも低リスクでしょう。



新興国に資金も戻ってきている

具体的に、誰(あるいは組織)がどのようにそのような事を言っているのか、管理人には全く判断致しかねます。具体的なデータが有れば想像できますが、それでもファンダメンタルズなどはあてにはできないので、何とも申し上げようがありません。

もしも新興国に資金が戻ってきていると確実に判断できるとしたら、世界中のあらゆる人が「今後は新興国が伸びるぞ」と言って、新興国に投資をするはずです。だとしたら新興国への投資が報われる可能性があるので、全力で投資すれば良いかもしれません。

ただ管理人は、冒頭に書いた通り、今後の値動きを予測することなどできないと思っているので、あくまでも自分の判断基準で淡々と買うだけです。

投資は非常に自由な事なので、全力で投資なさる事についてはお止めしませんが、もしも想定と全く反対に相場が動いた場合の事は、絶対に考えておくべきでしょう。具体的には、どういう判断基準で損切りをするかです。

損切りできない人は絶対に投資で成功することは無いので(インデックス投資や、一部の王道的な株式投資を除く)、この点があいまいであるならば、やめておくべきだと感じます。


上場新興国債に口座資金を全部投入

ところで、なぜリターンが望める新興国株ではなくて債券なのか、よく分かりません。資金を全部投入するという事は、非常に大きなリターンを望んでいるのだと思いますので、そうであるならば、債券ではなくて株式に投資するのが常道です

当然、株式のほうが「リスク」は大きいですが、リスクとリターンは表裏一体なので、資金を全部投入することによる「リターン」も大きいです。

下記は、上場インデックスファンド新興国債券 と、上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)の基準価額の比較です。「リスク」が大きい新興国株のほうが、投資妙味があるのではないでしょうか?

新興国債券ETFと、新興国株式ETFの基準価額の推移の比較

新興国債券ETFは、売りたいときに自由に売れないのが大問題

さて上記でご指摘申し上げた点に何も問題なかったとして、上場インデックスファンド新興国債券ETFを買ったとしましょう。買い付け金額は、そうですね、500万円としましょうか。

2016年3月15日の今現在の株価は52800円なので、1口単位で購入すると94口買う事が出来ます。ところが購入後、金融ショックが起こったとします。そうなるとパニック売りが殺到して、損切り(あるいは利益確定)しようにも、売買が成立するとはとても思えません。

下記は本日時点の、上場インデックスファンド新興国債券ETFの板情報です。相場の参加者全てを集めてきても、53000円の価格のところにはたったの63口しか売り注文がありません。(その上は100円飛んで、たったの2口の売り注文)

それに対応する買い注文は、52900円のところに23口ですから、63口を売りたい人は53000円では売れなくて、もっと下のところで刺さることになります。成り行きで注文したら、52800円~52500円近辺で、相当下のほうで刺さってしまうでしょう。

上場インデックスファンド新興国債券ETFの板情報


これが平常時なので、パニック的な相場になった場合は、売りのところに数百口くらいが集中して、買いがほとんどゼロになります。となるとストップ安となって、しかもこれが連日続くく事になりますね。

つまり、売りたいときに売れないような銘柄は、とてもではありませんが怖くて集中投資などできない訳です。管理人のように、かなりまったりと分配金狙いの投資をするなら基本的には売らないですから関係ありませんけど、売買タイミングを狙って集中投資をするには大いに問題です。

参考までに、下記はソフトバンクの板情報です。1円単位で、数百株の注文が並んでいます。個別株であってもETFであっても、資金を集中して投じる場合は、とにかく何かあったらただちに売却できるような流動性のある銘柄にすべきでしょう。

ソフトバンクの板情報


なお、上記の板情報などは、SBI証券HYPER SBIを使っています。今回の銘柄以外のETFの板情報や詳細なチャートを確認する際は、HYPER SBIを活用していただき、ご自身の投資手法に合った銘柄をセレクトすると良いでしょう。




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