ゼロクーポン債への投資オンリーで行くか、株式クラスへも投資するか

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米国・ゼロクーポン債オンリーの投資か? 株式を含めた分散投資か?

ここでは、ETFや投資について、お気軽に質問できます。投資初心者の方~中級程度の方を対象とさせていただきまして、ご質問をお受けいたします。

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頂いたご質問

2015年12月:candyさま(女性、70代)

「ETFの森」、「ノーロード投資信託徹底ガイド」等をいつも興味深く読ませていただき、大いに勉強させてくださってありがとうございます。さて、このたび、いろいろ勉強させていただいたことから、ふと自分はどうすればいいのだろうかと思い、ご教授いただきたく投稿させていただきました。

私は人生のゴールが見えてきた1940年生まれの老婆です。これまで私は残存年数が20年以上の、必ず利回りが最低でも3%をこえる、米国債(ゼロ・クーポン債)を購入してきました。これは自分のためではなく、子供 や孫のために少しでも自分が役に立ちたいと思い購入しつづけてきたものです。

子や孫への資産の継承


利回りが年3%を越えるゼロ・クーポン債であれば、満期が来れば確実に受取金額は(ドルベースで)倍程度になっていて、その時ドル・円が期待通りでなければ、また同じような米国債に再投資し、ドル・円が期待どおりになるまでずっと待つつもりで(実際にそのようにして)米国債を購入してきました。また、子供にもそうするように伝えてきました。

いままではほぼ迷いなく、長年にわたって、上記のようにして米国債だけを購入し続けてきました。しかし、最近ふと、投資信託で、株式投資に関する投資信託のリスクを減らすのに債券の投資信託を購入するように、自分の場合は米国債にたいして、DIAとか、VOOとか、VTとか、VXUSVTIの組み合わせたものとか、あるいは、国内物で、SMTダウ・ジョーンズインデックスオープンとか、1557とかを、米国債とあわせて購入したほうがいいのか迷いが出てきました。

私は、米国債を中途解約することがないので上記のようなことは必要ないのでしょうか? それとも、米国債だけでなく株式に関するETFや国内投資信託を購入したほうがいいのでしょうか?

もし購入したほうがいいのであれば、米国債に対する指数はダウになるのでしょうか、それともS&Pになるのでしょうか、それともVTに代表されるようなものになるのでしょうか?

お忙しい中申し訳ありませんが、なにとぞご教授くださいますようお願い申し上げます。

 

まず、ゼロクーポン債への投資は、全く悪くないと思います

candy様、このたびはご質問等を頂きまして、ありがとうございました。お便りを拝見するに、素晴らしい投資人生を歩まれたなと、実に感心しております。お子様、お孫さんも、いつか必ずcandy様の想いに気が付く時が来ると思います。

candy様が投資しておられるゼロクーポン債ですが、まず投資対象として、全く問題が有りません。一般の債券特有の、毎月のような利子が付かない代わりに、それに相当する金額が割り引かれて購入出来て、満期まで持てば元本保証です。

ゼロクーポン債の仕組み
(エイチエス証券から画像を拝借)


利子で受け取ると利益に対して約2割の税金が取られるといった、長期投資にとって最も避けたい税金を支払う事なく投資できるために、複利効果をたっぷりと享受できます。

しかも米国債市場は、世界最大の金融市場ですから、すなわちそれは、世界で最も信頼性の高い市場だという事も出来ますので、約30年の長きにわたる投資においても、安心して投資できます。今現在でも利回りが3%近辺にあるのは、非常に魅力的なのではないでしょうか?

必ず満期まで保有するという方針のようですから、中途解約する場合に、証券会社から安く買い叩かれてしまう事も無いはずです。

かような金融商品を、それこそ人生の初期のころから「発見」して、コツコツと余計な雑音に惑わされずに長期に投資してきたとなると、これはもう「米国ゼロクーポン債の投資家」と言って良いです。

ゼロクーポン債のデメリットは、為替変動リスクを受けることでしょう。円安になれば利益を受け取り、円高になれば損失が発生します。これについては投資家によって見方は事なるかもしれません。

外国株のように期待リターンが高い資産クラスへ投資して、高い利益を確保できる見返りに、為替変動リスクを許容するという人もいます。また、金利の高い通貨は長期的には為替変動によって、その金利を帳消しする方向に動くため、外国債券投資は割に合うのか、という見方もあります。

ただ、candy様の場合は想定よりも円高が進行している場合は、ゼロクーポン債を再度買い付けする方針ですから、為替変動もあまり関係ないですね。そもそも為替など、満期時点で円高になっているか円安になっているか、予測など全く不可能です。

だからこそ、投資タイミングをずらすことによって、為替変動リスクを抑えるわけで、この点でもcandy様の対応は全く問題無いのかと考えます。(債券のラダー型投資にかなり近い)

株式を含めた投資は、リスクを高めることになります

さてここで、海外ETFを活用して、米国株式、あるいは世界の先進国と新興国に非常に幅広く分散投資するETFを、あわせて購入するべきかどうかです。

まず一言で言うと、株式クラスの方が債券クラスよりも比較にならないほど価格変動が大きいので、株式を保有することで資産全体のリスクは高まります。お金の世界ではリスクとは危険性という意味ではなく、想定したリターンを得られない不確かさの事を言います。

米国ゼロクーポン債の場合、日本から見ると為替変動のリスク(=不確かさ)は存在しますが、債券自体は元本保証と言ってよいので、リスクは無いと言えます。

無リスクの状態で資産運用(だから利回りが年3%程度と高くはない)しているところに、さらにリターンを高めようとするわけですから、その代償として、それに見合うリスクを引き受けるわけです。

それが、株式投資を組み合わせることのリスクです。株式投資をしている人に対して、リスクの明らかに低い債券クラスに対しても資産分散することによって、株と債券トータルでのリスクを減らす意味合いで、債券投資は重要です。しかしcandy様の場合は逆で、リスクを高めることになり、これを受け入れられるのかどうかが、最重要ポイントになります。

ここは、慎重に考えるべきだと思います。大幅な元本割れを受け入れるだけのリスク許容度が、candy様にあるのかどうかが問われる局面です。

知識として株は元本割れするものだとはご存知でしょうが、実際に保有して体感するのは全く別次元の感覚であり、数百万円投入した株式クラスが大暴落で2割3割も安くなった時に、今と同じように安定した生活を送れるのかどうかをイメージする必要がありますね。

それが受け入れられるというのであれば、株式への投資は過去100年スパンで見ると、債券投資よりもはるかに高いリターンを期待できるので、むしろ外せない資産クラスと言えます。

株と債券の100年リターン
(主要22か国のおもな資産の推移、クレディ・スイスの2014年のレポートより引用)


上記で見ると100年で300倍に株式の価値が増えたことになります。年率換算で3%ですが、実際にはここに複利効果が働きますので、もしも1900年に株を100万円保有して、複利で100年間、回したとすると、結果は1900万円に増えます。年利19%に相当します。

株式が複利効果で増える


これが、債券クラスだったとしたらどうでしょうか。米国ゼロクーポン債ではありませんが、主要国の債券の価格の平均的な値で見ると、100年間で7.6倍です。リターンは年利0.076%ですので、1900年に100万円投資したとした場合の100年後の資産は、107万円にしかなりません。

ちょっとここまで差がつくのは、どうも「出来すぎ」のような気がしないでもありませんが、株式投資と債券投資の長期でのインパクトは、ここまで差がつくというふうに解釈してください。

このリターン差を見て、リスクを取るかどうかの判断が、問われるわけです。candy様のケースでは資産をお子様やお孫さんが受け継ぐ事を前提としておられますので、お子様方が株式投資の正しい知識をお持ちになる事も大切なポイントになりますね

仮に株式投資を行う場合については、管理人はそもそもインデックス投資から投資の世界を知った関係上、人さまにアドバイスさせて頂くときは、必ず「徹底的に分散している方が望ましい」とお伝えしています。

その意味からすると、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)が宜しいのではないでしょうかと申し上げます。ただ、世界の株の中心地はあくまでも米国ですし、米国が下げれば世界の株も相当程度連動して下がる傾向にありますから、米国の方が慣れ親しんでいて分かりやすいという事ならば、DIAVOOでも構わないと思います。(VTも、半分は米国株です)

ところで、なぜ急にふと、このタイミングで株式投資を?

さてところで、candy様の今までの家計において、資産運用に特段の問題は無かったのではないかと想像します。比較的安全性の高い資産に集中投資して、安定的に増やしておられます。

が、今このタイミングでふと急に、株式投資に関心が出てきたのは、もしかしたらここ2,3年の、世界的な株高をご覧になっての事なのでしょうか?

もしそれが「そうなのだ」としたら、株式投資というのはたいていの場合は「今までやったことのない人が参加しだしたら、終わりが近い」というのが「相場」だからです。

素人が我先にと株を買いだしたら、そこが高値圏にあることを強く示唆しています。だとすると今はちょうど高値掴みの可能性のある時期ですから、「株式投資をすべきだ」とは軽軽に言えないわけです。(基本的には今が高値圏なのかまだ更に上昇するのかは神のみぞ知る世界ですが)

candy様の残りの人生の大事な時に、大きく減らす可能性も想定しなくてはなりませんし、それだけではなくて明らかにお子様や、さらにはお孫さんの人生にまで多大な影響を及ぼす可能性があると考えます。

孫に資産運用を引き継ぐと


今は米国が世界最強ですが、お孫さんの代の100年後まで最強なのかどうかも、誰にも分かりません。そうであるならば、国際分散投資をするのが最適だと個人的には思いますが、ではお孫さんが当事者になった時に、投資をきちんと受け継ぐことができるのか、ここがイマイチ分からないです。

国際分散投資(あるいはインデックス投資)のような、理屈っぽくてパッと見、難解に見える投資方法を一体誰が指南したんだと、この世のお孫さんからあの世のワタクシに対して、苦情が来ることをかなり恐れているとご想像ください・笑。

資産を引き継いで管理できる後継者がいらっしゃれば、株式クラスと債券クラスを同時に保有するほうが良いと思いますが、いらっしゃらない場合は、従来同様に守備的な資産運用に徹するべきだと考えます。





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