同じベンチマークのインデックスファンドとETFに、基準価額の差が生じる問題

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同じベンチマークのインデックスファンドとETFの基準価額の差が生じる理由

ここでは、ETFや投資について、お気軽に質問できます。投資初心者の方~中級程度の方を対象とさせていただきまして、ご質問をお受けいたします。

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頂いたご質問

2018年6月:Ledoさま(男性、年代不明)

投資信託やETFで長期投資を始めて、手探りしている者です。大変勉強になるサイトで参考にさせていただいております。とても初歩的なことなので恐縮ですが、疑問点は以下の点です。

たとえば、TOPIX連動の「三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド」と同じくTOPIX連動の「上場インデックスファンドTOPIX 1308」を、同一日に同一額購入して、SBI証券など証券会社のポートフォリオに登録して価格推移をみていくとします。

すると、同じTOPIX連動でも、ある時点の「損益(%)」の欄は、違った%になってしまいます(上の場合だと、三井住友DCのほうが損益の%がプラスになることが多い)。これはどうしてなのでしょうか。(何か基本がわかっていないのかもしれません、愚問でしたらお許しください)

一般に信託報酬等が安いほうがよいということで、同一の市場指標に連動するものならETFのほうがよいと言われますが、 損益が大きく違うなら、この場合なら三井住友DCを選んだ方が得だということになるかと思うのですが、いかがでしょうか。 ご教示いただけたら幸いです。



基本的に、どちらも全く変わらないと思っていただいてOKです

Ledoさま、今回は当サイトにご質問頂きまして、ありがとうございました。以下の通り、回答をさせていただきます。どうぞお目通しいただければ幸いです。


リターンを長期で比較するとすぐに解決

今回の、該当する2つのインデックスファンドを、モーニングスターのウェブサイトで比較してみます。結果は、以下の通りとなります。3年チャートではご覧にように2つのファンドはほぼ完ぺきに重なってしまっており、基本的に両者の運用成績は同一と判断できます。

上場インデックスファンドTOPIXと三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドのリターン比較


ただし、ごくわずかに運用成績は上場インデックスファンドTOPIXのほうが、1年でも3年でも5年で見てもわずかにリターンが上です。1年で見た場合0.08%、上場インデックスファンドTOPIXの成績が上となっています。

上場インデックスファンドTOPIXの信託報酬は0.08%で、三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドの信託報酬は0.16%です。

ちょうどこの差の0.08%分が、リターンの差となって表れていますね。つまり、信託報酬が安いファンドを選ぶというのが、インデックスファンドの正しい選び方でもあります。それが実に良く出た結果となって表れています。



分配金を考えると、三井住友DCのほうが良い

ただし、だからと言って上場インデックスファンドTOPIXを買えば良いのかというと、それはちょっと違います。というのも、上場インデックスファンドTOPIXは毎年1回、決算月に以下のように、比較的多めの分配金を吐き出しています。

上場インデックスファンドTOPIXの分配金


ETFの分配金は基本的には元本払戻金ではなくて普通分配金なので、これに対して約2割の税金を持っていかれます。となると、複利効果にマイナスの影響が出る訳で、長期投資で資産をひたすら積み上げる事を目指している場合は、これはデメリットになります。

分配後の基準価額を見ると、それがよく分かります。以下、分配を考慮した基準価額の5年間の比較です。これを見ると分かる通り、明確に三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドのほうが良いという事になりますね。

上場インデックスファンドTOPIXと三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドの、分配後のリターン差


もちろん、分配金を得るタイプの投資を志向している人にとっては、上場インデックスファンドTOPIXのほうが良いという事にはなります。あくまでも、ご自身の投資の目的によって、選択するファンドは変わってきます。



短期的には基準価額はファンドごとに変わってきます

ではなぜ、毎日基準価額を見ていると、若干の違いが生じるかです。以下、2つのファンドの月報から抜き出した数値をご覧ください。

最初は、三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドの組み入れ上位10業種と、上位10銘柄のデータです。組み入れ銘柄数は、1635銘柄になります。

三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドのポートフォリオ


次に、上場インデックスファンドTOPIXの同様のデータです。銘柄数はこの図には書いてありませんが、月報によると、2080銘柄に投資しているとの事です。

上場インデックスファンドTOPIXのポートフォリオ


で、細かく見て行くと、全体の銘柄数は全く異なりますし、業種別でも上位銘柄でも、数値が微妙に異なっているのが分かると思います。

つまり、同じベンチマークを持つインデックスファンドどうしであっても、実際のファンドの中身は運用会社やファンドによって違いが出てきますから、基準価額に毎日の差が出るのは当然なのです。

毎日多少の差が生じつつも、基本的にはTOPIXに長期で連動する成績を目指していますから、期間が延びるほど、両者の差異は無くなってきてほとんど同一になって、基本的には信託報酬の差の分だけ、リターン差が出る事になります。

もちろんファンドの中身が違いますから、信託報酬の分だけ(今回のように)綺麗に差が出るという事は稀であり、そのような傾向が見受けられる、というのが現実になります。

インデックス投資の場合は、基準価額を毎日チェックする必要などはそもそもありませんので、年単位でのんびりと観察するくらいが良いのではないかと思います。




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