ETFと投資信託を比べた時のコスト差の重要性

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ETFと投資信託は、コストで選んでも良いのかどうか?

ここでは、ETFや投資について、お気軽に質問できます。投資初心者の方~中級程度の方を対象とさせていただきまして、ご質問をお受けいたします。

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頂いたご質問

2017年9月:しゅんたろうさま(男性、30代)

ノーロード投資信託ガイドとあわせ、大変参考にしております。さて、長期投資においては、信託報酬が安いもの、複利効果を狙うこと、分散投資を行うことがもっともおすすめかと思います。

私は、外国株式ではSPY(0.09%)、国内株式では1475(0.08%)を買うこととしています。加えて、分散投資の観点で、国内不動産・外国不動産・新興国債券も併せて買いたいのですが、ETFよりも公募投信の方が信託報酬が安く、そちらを買った方が良いのか迷っています。

国内不動産:流動性を考えて1343(0.32%)vs ニッセイJリート(0.25%)
外国不動産IYR(0.44%)vs ニッセイGリート(0.27%)
新興国債券1566(0.45%)vs ifree新興国債券(0.22%)


ETF同士では流動性と信託報酬、投資信託同士では信託報酬で比べればいいのかなと思いますが、同資産クラスにおいてETFよりも投信の信託報酬が安い場合、流動性リスクや売買手数料に鑑みると、投信を買うべき、という結論でよいのでしょうか?

ご見解を伺えればと思います。よろしくお願いします。



ETFの場合、ふだん考えないような「コスト」がかかってくる可能性がある

ETFを使う時は、まず流動性に注目


しゅんたろう様、この度はご質問をいただきまして、ありがとうございます。

まず、ETFを指値で購入するような、つまり急落局面に追加で投資するようなシーン以外、例えば毎月の積み立て投資のような形で購入する場合は、とにかく信託報酬というよりは流動性に一定の信頼が置ける銘柄でないといけません

例えば国内REIT向けの銘柄として挙げておられるNEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(1343)は純資産も2300億円もあり、全く問題ありません。一方で同じカテゴリーのダイワ上場投信-東証REIT指数(1488)などはその10分の1ほどしかなく、心もとない事もあると思います。

が、現時点でチェックすると、特段、恐れることも無いようですね。左が1343、右が1488の板情報です。この状態なら、注文がスリップする事もなさそうです。

国内REIT ETFの板情報


一方で、新興国債券に関しては、流動性の問題は出てくる可能性があります。下記は、上場インデックスファンド新興国債券(バークレイズLocal EM国債)(1566)の板情報です。

上記のREITの板情報に比べると、明らかに売り買いの注文が少ないのが分かります。純資産が40億円程度だと、こんなにもいきなり少なくなってしまうのですね。

この状態だと、例えば52700円で買おうと思っても、売買が成立せずに52900円くらいで約定する事が現実的になります。となると、約0.3%の差が生じる事になります。今の板情報で下記のような状況なのであって、日によってはもしかしたら1%くらい、注文が飛ぶこともあるかもしれません。

上場インデックスファンド新興国債券(バークレイズLocal EM国債)の板情報


この0.3%~1%程度、注文が飛ぶことは、すなわちこれは、隠れたコストのようなものです。信託報酬以外に、このような余計なコストを支払う事になりかねないので、流動性の少ない銘柄は、よほどそこに何らかの目的が無い限り、選んではいけません。

成り行きで注文を出す時は、一体どのくらい飛んで約定したのか分かりませんから、極力、流動性の高い銘柄にすると良いでしょう。



コスト差は、長期的にリターンに現れる可能性が高い


次に、ご質問のコストに関してです。基本的にインデックスファンドの場合、コストの分だけベンチマークに対して下方かい離する事になります。したがって、コストは極力低いものが望ましいのは確かです。

ただし、コスト差が微妙なものは、リターンを比較しても顕著に差が表れにくいです。NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(信託報酬0.32%)と<購入・換金手数料なし> ニッセイJリートインデックスファンド(0.25%)を比べても、ほとんど同一か、むしろETFのほうがごくわずかに良いくらいです。

流動性も考えた場合、もはやお好みで選んでも全く問題ありません。ETFのほうが購入時と換金時に売買手数料がかかりますから、僕ならば投資信託を買います。積み立て設定も楽ですし。

なお、松井証券ならば10万円未満の売買手数料が無料なので、金額が低い場合は、ETFを買っても良いでしょうね。しかしながら将来取り崩す際に、10万未満で取り崩す事が面倒になる事もあるので、やはり投資信託のほうが良いかなと、個人的には思います。




新興国債券については、iFree 新興国債券インデックス(信託報酬0.22%)のコストが、上場インデックスファンド新興国債券(バークレイズLocal EM国債)(0.45%)の半分以下となっており、顕著に差が付く可能性があります。

試しに両者を比べたところ、1年少々で2.6%もの差が生じていました。これは理由が分からないほどの差になっていますね。コスト差分をはるかに超過しています。




3年スパンで見たのがこちら。iFreeインデックスファンドは新しいファンドなので、3年で比較できるインデックスファンド海外新興国(エマージング)債券(1年決算型)(0.55%)と比べています。同等程度のコストなのに、3年で2.31%の差が付いていて、どうも変ですね・笑。

以上を鑑みて、新興国債券の場合は、私ならば投資信託を選びます。




ETFを選ぶにしても投資信託を選ぶにしても、基本はコストにあります。まずコストを見て、十分にETFに優位性があるなと思った場合、ETFの売買手数料流動性をチェックして、問題ないなと判断できた場合にのみ、ETFを選ぶ事になると思います

なお、海外ETFの場合は、国内の投資信託のコストが十分に下がってきており、よほど特定の銘柄に絞って投資したいというニーズが無い限り、敢えてコストをかけてまで面倒な取引をする事も無いと思います。

投資マニアは別として、ごく一般の人は、国内上場ETFか、普通の投資信託で十分でしょう。




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